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心地よい冷風が周囲を満たす。
ひんやりと冷たいものが額に置かれて、意識が浮上する。
「………っん?」
そろそろと眼を開ければ金と紅のオッドアイが姿を現す。
「………………何処だ此処」
たっぷり三拍の沈黙の後に白狐のセリアンは呟く。
確か暑さに参って意識を失した瞬間までは記憶にある。
きょろりと落ち着かなさそうに視線を巡らせた。
寝ているのはゆったりとした大きめの寝台。
すっきりとまとめられた部屋はガラス張りで大きな水槽が視界に入る。
青々とした観葉植物が置かれていた。
大きめな家具は寝台とソファくらいだ。
そういえばとふと、思い出す。
意識を失う寸前聴こえた声。
陽の光彩を弾いて煌めいた金色を。
「あ、気がついた?」
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