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降ってきた声に視線を向ければ金髪に湖底のようなエメラルドグリーンの眸。
細身だが均整の摂れた体躯の男が佇んでいた。
「……ライアロウ?」
眼を瞬かせれば笑みと共に肯定が返ってくる。
「そうだよ 君は見たところ白狐のセリアンかな?」
形よい目許を細めて金色のライアロウはグラスを差し出してきた。
中は氷の入った冷水。
「…貴方が助けてくださったのですね 感謝致します」
グラスを受け取って中身を飲む。
あのままだったら熱中症にでもなっていたかもしれないと素直に感謝を告げれば眼前のライアロウは何やらにこにこと笑みを浮かべている。
「……そういえば自己紹介がまだでしたね 俺の名は宿禰 銀瑤と申します 貴殿は?」
「俺はイーグルだよ イーグル フロウ」
自己紹介も済ませたのにイーグルはまだにこにこと笑みを浮かべていた。
なんだろうか。
胡散臭いなと銀瑤はひっそり警戒する。
「ねぇ、銀瑤」
「何でしょうか イーグル殿」
恐らく歳上だろうし何より命の恩人だ。
銀瑤なりに敬意を払って答えればイーグルの笑みが益々深まる。
「俺って君の命恩人だよね?」
「……そうですね」
なんだろう。
嫌な予感がする。
「なら俺のお願いひとつ聞いてくれない?」
「………何ですか?」
胡乱気に聞き返せばイーグルは拝むように両手を合わせている。
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