始 金色と銀色~前編~

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「尻尾もふもふさせて」 「何言ってんだ変態」 にこにこと笑顔で告げられた内容は銀瑤には承伏しかねるもので思わず辛辣に答えてしまった。 「何で変態!?いいじゃん!俺命の恩人だよ!?触らせてよ!」 「変態だろ!?ひとの尻尾触りたいとか変態じゃないか!?」 ぎゅっと自分の尻尾を抱き抱えて護る。 「触りたいけど無断で触ったら駄目だと思ったから触らないで我慢したんだよ!?紳士じゃないか!」 「なら、そのまま紳士でいてください イーグル殿」 ジリジリと近寄るイーグル。 そろそろと距離を取る銀瑤。 「触りたい お願いします もふもふさせて」 「嫌です 無理です 丁重にお断り致します」 お互いに退かぬ攻防が暫し続いた。 「あ」 ふと、何か思いついたようにイーグルが声を上げる。 「なら勝負しようよ 銀瑤」 「…勝負?」 何が「なら」なんだと言いたいのをぐっと押さえて銀瑤は先を促す。 「うん 俺と銀瑤が勝負して俺が勝ったら銀瑤の尻尾もふもふさせて」 「……俺が勝ったら?」 両手を開いて名案とばかりに語るイーグルに銀瑤は訊く。 「……そうだな 銀瑤は東の皇国のセリアンだよね?その格好 なら君がこの国に来た目的の手伝いをしてあげるよ それならどう?」
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