第1章

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蒸し暑い部屋の中で、ベットリ寝汗をかいた状態で眼が覚めた。 白い天井が歪んで見える。昨日から泣いてばかりいるせいか、瞼がヤケに重い。 もう一度眼を閉じて、睫毛に滲んでいる乾きかけの涙を手の甲で拭った。 瞼と同じように重い身体を起こし、汗ばんだ腕を伸ばして、枕元の目覚まし時計を見ると三時を回ったところだった。 結局学校へは、何も連絡せずに無断で休んでしまった。 ベッドから起き上がって、机の上のカバンから携帯を取り出した。 病院に入るなり、電源を切っていた携帯には、たくさんのメールや着信ありの表示が出ていた。 履歴を見ると、涼からのものがほとんどだった。
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