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やがて冴木先輩が席を立ち、トイレに向かうと、運ばれて来た梅酒ソーダを箸でかき混ぜながら、陽翔が口を開いた。
「ミツキはさ、言葉とか以前に、態度とかでもわかりにくいんじゃね?」
「……俺、わかりにくい?」
「だって俺も最初、嫌われてると思ってたもん、つーかドS?」
俺はそう言われて他人への自分の態度を思い返してみると、確かに結構冷たいかもしれない。
陽翔は俺のそんな様子を見つめながら、箸を抜き、梅酒ソーダを一口飲むと、にっ、と笑った。
「まあそれが愛情だって途中でわかったから、俺は大丈夫なんだけど。」
「……勘違いだろ。」
照れくさくなって顔を逸らすと、陽翔はくすくすと笑った。
「ほら、照れたら顔逸らすだろ。俺はそれわかってるけど、他人からしたら冷たく映るんだって。」
この時俺は、意外と真面目に見てくれている陽翔を少し見直した。
「にしてももったいねぇなー。菜乃花ちゃん。なんでミツキなんだよ、俺の方が優しくすんのにー。」
……それと同時に、こいつに彼女を紹介したりしたら、えらいことになるんじゃないかと、少し警戒しようと心に決めた。
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