第1章

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「……俺、しばらく禁酒しよう。」 痛む頭を押さえながら、俺は床に腰掛けた。 すると彼女の黒目がちな瞳が、俺の顔をのぞき込んできた。 さらりと、長い髪が揺れる。 「あの、……ミツキさん?」 「……まあ、俺が言い出したんなら仕方ないし、責任とるよ。」 俺はそれからぷいと顔を逸らして、盛大なため息をつく。 「えへ、では、よろしくお願いします。」 そんな態度を気にすることもなく、俺の言葉にとても嬉しそうにはにかむ彼女を見ると、何故か少し、心が癒された。 この感じなら、間違いも起こらないだろう……。 「……では、食べましょう。」 彼女はそう言うと、俺にベーコンと目玉焼きの乗ったお皿と、ご飯と味噌汁を差し出してきた。 ……こうして、俺と彼女の、おかしな生活が始まった。
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