2人が本棚に入れています
本棚に追加
「……俺、しばらく禁酒しよう。」
痛む頭を押さえながら、俺は床に腰掛けた。
すると彼女の黒目がちな瞳が、俺の顔をのぞき込んできた。
さらりと、長い髪が揺れる。
「あの、……ミツキさん?」
「……まあ、俺が言い出したんなら仕方ないし、責任とるよ。」
俺はそれからぷいと顔を逸らして、盛大なため息をつく。
「えへ、では、よろしくお願いします。」
そんな態度を気にすることもなく、俺の言葉にとても嬉しそうにはにかむ彼女を見ると、何故か少し、心が癒された。
この感じなら、間違いも起こらないだろう……。
「……では、食べましょう。」
彼女はそう言うと、俺にベーコンと目玉焼きの乗ったお皿と、ご飯と味噌汁を差し出してきた。
……こうして、俺と彼女の、おかしな生活が始まった。
最初のコメントを投稿しよう!