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「……一ノ瀬。」
俺は一ノ瀬の手首を掴み、無理矢理引き離す。
「……確かに、俺が悪いよ。でも、戻れない。菜乃花には謝っといて。あと、変な男と付き合うなとも言っといて。じゃ。」
「そんなんで許せる訳ないじゃない!」
「まあまあまあ、あれでもミツキも傷ついてんだって!」
怒りの収まらない一ノ瀬の怒声と、陽翔の諭すような言葉。
俺は少しふたりに申し訳ないと思いながらも、お盆を手に、そこを離れた。
あの状態の一ノ瀬には多分、何を言っても効かない。
それにしても、菜乃花のこの前のあれは、俺への当て付けのような物か……。
恐らく菜乃花は、一ノ瀬が今のように俺に情報を洩らすのを想定していたのだろう。
正直菜乃花とは、もう戻る気はない。
きっとまた、傷つけるだけだから。
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