第2章

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「……もうまるで彼女じゃん。」 隣で何故か頬をピンク色に染めた陽翔が、そうつぶやく。 ……自分でもそう思ってしまったことは、秘密にしておこう。 部屋の中は、玉ねぎのいいにおいが漂っていた。 「俺のもお願いできない?」 靴を脱ぎ、部屋に入ると、それに続いて中に進んだ陽翔が、ニコニコと爽やかに笑いながら、椎名咲笑にそう話しかけた。 「え、あ、……」 突然のことに彼女は戸惑いながらも、調理台の上の材料をちらりと確認し、すぐに笑顔を浮かべた。 「大丈夫ですよ。」 「やったね!」 陽翔はとても嬉しそうに笑い、慣れた様子で俺のベッドに座った。 「名前は?なんていうの?」 「椎名咲笑です。」 「へえー、咲笑ちゃんかー。」 おいてけぼりにされた俺は、硝子テーブルに頬杖をつきながら、テレビの電源をいれた。
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