ヒーローはおねえさん

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「はっ」  ヨハンと呼ばれた司会者は姿勢を正して敬礼した。 「あと、こいつはこのまま入院させる。DEMSにはまだ不具合があるからな」  殿下はきらりをかついだまま再び歩きだした。 「かしこまりました」  ヨハンは軽く頭を下げた。  きらりの意識がだんだん遠のいていく。  たった今の会話すら遠くの出来事のようだ。  目の前も暗くなってきた。  暗がりの中、倉科が両ひざと片手を地につけてこちらを見ている。 「ま、待て」  倉科はふるえながら、もう片手をきらりに向かって伸ばした。 「ゾンビかよ」  きらりは突っ込んだつもりだった。  しかし実際にはきらりはすでに気を失っていた。
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