ヒーローはおねえさん

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 あたりは暗闇。 「……けて……」  どこからか声がする。 「……だれ……か……」  声の主の姿は見えない。 (あなたは誰なの?)  きらりはそう言ったつもりだった。  しかし、声が出ない。 「……たす……けて……」  声はだんだん遠ざかっていく。 (待って!)  きらりは手を伸ばした。 (今、助けに行くから!)  きらりはそう思ってから、ふと気づいた。  助けを求める声も、それに応えようとしたのも、すべて夢の中の出来事だったと。
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