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「どういうこと? 倉科くん」
きらりは迷惑そうに男子学生・倉科の方を向いた。
倉科の方が背が低い。
「チャレンジャーだったら普通に英語じゃないっすか。日本語をカタカナにした方がヒーローっぽくなるっすよ」
倉科は言った。
「あ、始まったね」
きらりが舞台を指す。倉科も正面を向いた。
「このイベントの主役の座は、このタイダー将軍がいただいた!」
舞台に黒い鎧の男が現れた。
頭にツノを何本も生やし、肩やひじにもトゲがたくさん付いている。
「出たな、ダーラン帝国の怪人、タイダー将軍!」
司会者は半歩引いて上半身を若干のけ反らせた。
客席が不安そうにざわめく。
司会者は客席を見て、はっと姿勢を正した。
「大丈夫! みんな、せーのでチョウセンジャーを呼ぼう。せーの!!」
司会者は声を張り上げた。
つられて子ども達もヒーローの名前を叫ぶ。
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