ヒーローはおねえさん

3/13
前へ
/39ページ
次へ
「どういうこと? 倉科くん」 きらりは迷惑そうに男子学生・倉科の方を向いた。 倉科の方が背が低い。 「チャレンジャーだったら普通に英語じゃないっすか。日本語をカタカナにした方がヒーローっぽくなるっすよ」 倉科は言った。 「あ、始まったね」  きらりが舞台を指す。倉科も正面を向いた。 「このイベントの主役の座は、このタイダー将軍がいただいた!」  舞台に黒い鎧の男が現れた。  頭にツノを何本も生やし、肩やひじにもトゲがたくさん付いている。 「出たな、ダーラン帝国の怪人、タイダー将軍!」  司会者は半歩引いて上半身を若干のけ反らせた。  客席が不安そうにざわめく。  司会者は客席を見て、はっと姿勢を正した。 「大丈夫! みんな、せーのでチョウセンジャーを呼ぼう。せーの!!」  司会者は声を張り上げた。  つられて子ども達もヒーローの名前を叫ぶ。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加