ヒーローはおねえさん

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 きらりは「うわ、うるさっ!」と耳をふさいだ。 「私はここだ!」  ハスキーな声がきらりの後ろから上がった。  きらりを含め、客席の皆が後ろを振り向く。  イベント広場の斜め後ろにはカフェがあった。  カフェの2階テラスに声の主が仁王立ちしている。  その人物は炎をイメージした真紅の鎧に身を包み、同じように真紅の仮面で顔を隠していた。 「チョウセンジャー、ただいま参上!」  チョウセンジャーはヒーローらしくファイティングポーズをとった。  次の瞬間、あたりがまばゆい光に包まれた。  きらりも倉科もとっさに目をつぶったが間に合わず、目がくらんでしまった。  同時に客席からは子ども達の泣き叫ぶ声が上がった。  しばらくして、まばゆい光はおさまったが、視力はそう簡単には戻らない。  人々のパニックもおさまらない。  子どもたちの泣き叫ぶ声に大人たちの悲鳴が混じっている。
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