ヒーローはおねえさん

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 客席にいる親たちはそれぞれ我が子を気づかっていた。子どもの頭をなでる者。ぎゅっと抱きしめる者。やり方はさまざまだ。  道を歩いていた人々は立ち止まっていた。猫背になって顔をおさえる者とうずくまっている者が多い。  が、何事もなかったように再び歩きだす者もいた。 「上で何か爆発した、とか」  きらりは手をひさしにして空を見上げた。  雲がいくつか走っているだけで、目立った異変はない。 「晴天のへきれきっすね」  倉科も同じように空を見上げた。  きらりは目をこすっていた。  光の残像が邪魔で、ものが見えにくい。  視界の端にチョウセンジャーがトンボを切って地上に舞い降りるのがかろうじて見えた。  チョウセンジャーはきらりの目の前をすべるように横切っていった。  舞台そでにたどり着いた彼は司会者と敵役・タイダー将軍を手招きで呼ぶ。
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