ヒーローはおねえさん

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 簡単に打ち合わせをしたのだろう。チョウセンジャーが舞台の真ん中にさっそうと立つ。 「みんなが何かに挑戦する勇気、あふれる情熱! それがチョウセンジャーのエネルギーになる!!」  片手を高々と上げてガッツポーズ。  全身、赤いはずだが、きらりには黒い人影に見える。 「さっきのまばゆい光はそれだったのか!」  タイダー将軍は大げさにおどろき、数歩後ずさりした。 「くっ! 仕方ない、退却だ!!」  そしてマントをひるがえして舞台そでに消えた。 「みんな、ごめんねー。近くでトラブルがあったみたいなんだ。予定よりちょっと早いけど、ショーはこれで終わりでーす!」  司会者もあわただしくショーを締めくくった。  残念ながら拍手はなかった。  皆、それどころではなかったのだ。  目が痛い。  こんな時はきれいな水で目を洗うか、目薬をさせば良いのだが。今はどちらもなかった。
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