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空の上から降る雨。人魚は雨を受ける。海の水に似た雨は、どこから降って来るのか？
天使は空を見上げる。どこまでも広がる空と海は、遠くで繋がり消える。
消えた先に何がある？ 問う人魚に天使は言う。消えた先にも青が広がるだけ。浮島以外何も無いと。
人魚は浮島を思う。小さな世界の少年に、広い世界を見せたい。
天使は頭を振る。あそこへ行っても理解されない。知るだけ寂しくなるだけ。もう行きたくはない。
人魚は海に潜る。海の底を探しに向かう。海の底はもしかして、何かあるのかもしれないと。
天使は空を昇る。空の上から降る雨を探しに。空の上にはもしかして、何かあるのかもしれないと。
息も絶え絶えに二人は戻る。やはり何も見つけられなかった。海の中は海で、空の上は空だった。
空を見上げて人魚は言う。どうすれば新しい世界が見れる？ どこに行けば新しい世界があるの？
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