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AM7:00ー宮藤家ー時雄ルームー
ビビビビッ!ビビビビッ!
機械的なアラームが鳴った、時雄の赤のスマホである。
「ぅ~!…っし。」
いつもは起きるのに数分はグズる時雄だったが、この日は即起きた。
昨晩の内に枕元にユニフォームは準備しておいた。あとは着て行くだけだ。
真希は朝練に行く準備をと歯磨きをしていた。
「ん、早いね時兄。」
「たりめーだ、待ちに待った俺のデビュー戦だぜ?」
「そりゃ楽しみだね。」
真希自身、時雄が何かを目標に頑張っている事が嬉しいのだろう、嬉しそうに頷いた。
時雄は用意されていた朝食、カレーを数分で食べ終えた。因みに、宮藤家では試合の日はカレーと相場が決まっている。
「しゃ、食った食った。母さん、学校まで送ってもらってイイ?」
『はーい。』
歯磨きも終え、道具も全て揃えた。
茜高校のメンバーは全員現地集合と決まっていた、バスを借りる予算などあの校長が出してくれる筈もなかったからだ。
母の翔子は車のキーを片手にスリッパをパタパタと鳴らして行く。
「時雄、忘れ物は?」
「ない、昨日の夜から46回確認した。」
「フフッ…遠足前みたいね。」
少しだけ恥ずかしそうに、時雄は頷くと、兄に線香を上げて家を出た。
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