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白雲高校に、茜高校のメンバーは全員遅れる事なく集まった。
初めに出迎えたのは、敵チームの白雲高校野球部。
相手主将は笑顔で迎えてくれた。
「ども。俺は主将の江田です、今日は宜しく頼んます。」
「あぁ、宜しく頼むぜ。」
「お互い良い試合しましょうね、夏に向けて。」
(夏樹さん、相手1コ上スよ。)
態度だけは一端の夏樹に仲間内ながら全員が引いた。
ベンチに荷物を降ろすと、アップをすべく外野に向かった。
「……な~んか、気に喰わないねぇ。」
翔は不満気にランニングで身体を温めていた。
疑問を抱いたのは赤星、丸い目で翔を見る。
「何が?江田さん結構良い人じゃん、あんな笑顔でさ…」
護や和也など、何人かも賛同して首を振る。
「そうかぁ…?あんなに舐められて?」
だが翔は顎で敵ベンチを指す。どうやら相当気に食わないようだ。
そんな時、静かだった時雄が口を開いた。
「あんの爽やかキャプテンが、俺らの事眼中にも入れてねーじゃねぇか。何が夏に向けてだ、俺らの事練習相手としか見てねぇぞ、アイツら。」
『え。』
遠目に見えてしまった、相手ベンチの空気の緩さ。完全にウチを格下と舐めていた。
「この試合、校長との約束もあるけど、もっと負けられないな。」
和也は拳を強く握った。
「男として、負けられねぇ。」
早朝のアップを、全員が余念なく行った。
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