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整列する両チーム。
『……。』
片や、キレイに統率された集団。流石は去年神奈川県ベスト16である、風格も一端だ。
『バカ、ちゃんと並べって!』
『痛っ!誰かスパイクで足踏んだって!』
…片や、何かと大人しくなれない集団。統率が全くと言って言い程になさすぎる。
「宜しく。」
「え、あ…おぉ。」
敵チームの主将と夏樹が手を重ねた。
『礼っ!』
『っしゃあぁぁぁっす!!』
怒号に似た礼節が、戦いの火蓋を切って落とした。
先攻の茜高校はベンチに戻る。
対し、後攻の白雲高校はそれぞれ守備位置に着く。
『負けんなよー!アカ高っ!!』
緊張感が高まる中、ベンチ裏から聴き覚えのある声がした。
そこにいたのは、野球部の数少ない応援者である穂波、立花、理太郎、そして芹沢である。
「美奈江ちゃぁーん!来てくれたんだね!!」
「試合に集中しろ、タコ。」
和也の下心は時雄にぶった斬られた。
『ボールバックー!』
ボール回しも機敏に行い、準備は整った。
運命の初試合、プレイボール。
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