第14球ーバカにすんなー

2/32
前へ
/777ページ
次へ
「しゃあ…!」 パシー…ン。 軽快にボール回しを行う白雲。その動きは茜高校よりも随分と手慣れた動きで、練習の賜物が見て取れる。 投手から捕手、スチール想定のプレーで、捕手の送球は鋭く低弾道で二塁ベース目掛けて投げられた。 「っしゃあ、ストライク!」 パシィッ…バンッ! ドンピシャの送球はベースのやや右寄りの所で捕球されショートは流れるようなフィールディングでサードへと投げる。 サードは取って素早くセカンド、そしてファーストへとボールを回す。 最終的にファーストがボールをピッチャーに渡し、それを確認したキャッチャーは大きく息を吸う。 「一回っ!打たせて行くから、バック宜しくぅー!!」 『っしゃぁぁぁ!!』 キャッチャーの掛け声は、守備陣を大いに盛り上げた。 「さて、始まりましたな。」 和也は楽し気に戦況を見守る。 「おっしゃ~!アカ高屈指のリードオフマンが、いっちょカマしてやっかぁー!」 先頭バッターの赤星は、意気揚々と打席に向かう。 『君、ヘルメットは?』 「あ、すんません忘れました。」 (早速ズッコケてんじゃねーか!!) チーム全員が心中でつっこんだ所で、試合はプレイボールを迎えた。
/777ページ

最初のコメントを投稿しよう!

402人が本棚に入れています
本棚に追加