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ダカァッ!
第一音、赤星のベースを蹴る音。
「オイィ!三つ回ったぞぉ!?ボール四つぅ!!」
第二音、捕手である翔の指示の声。
「っしゃ任せんか…」
ドシュウゥッ!!
「オラァァ!!」
第三音、センター和也からの返球の音。
「リレーェ!!」
翔の指示により、遊撃手の悟は勢いある返球を捕球、ホームを振り向きながら、右手に即座に持ち変える。
「っら…!」
シュピッ!
第四音、悟の送球も低めにキレイに伸びた。
パシィッ!
第五音、翔のミットが鳴る音。
「ムッ…?」
「残念、赤星ぃ。」
第六音…
「俺の高速スライディング…特等席で見せたるわ。」
「む…!?」
ズザァァ!
ガドォッ!
素早く足を折りたたみ、右足を前、左足を後ろに畳む。翔のやや横に飛び、腰をグニャリと捻ってベースの隅を撫でた。
回り込みの高速スライディングの音。翔のレガースの音が、僅かに遅れた。
「セ~フ~!」
赤星の呑気な声がグラウンドに響いた。
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