第13球ーNinesー

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ダカァッ! 第一音、赤星のベースを蹴る音。 「オイィ!三つ回ったぞぉ!?ボール四つぅ!!」 第二音、捕手である翔の指示の声。 「っしゃ任せんか…」 ドシュウゥッ!! 「オラァァ!!」 第三音、センター和也からの返球の音。 「リレーェ!!」 翔の指示により、遊撃手の悟は勢いある返球を捕球、ホームを振り向きながら、右手に即座に持ち変える。 「っら…!」 シュピッ! 第四音、悟の送球も低めにキレイに伸びた。 パシィッ! 第五音、翔のミットが鳴る音。 「ムッ…?」 「残念、赤星ぃ。」 第六音… 「俺の高速スライディング…特等席で見せたるわ。」 「む…!?」 ズザァァ! ガドォッ! 素早く足を折りたたみ、右足を前、左足を後ろに畳む。翔のやや横に飛び、腰をグニャリと捻ってベースの隅を撫でた。 回り込みの高速スライディングの音。翔のレガースの音が、僅かに遅れた。 「セ~フ~!」 赤星の呑気な声がグラウンドに響いた。
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