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「いやぁ~!やっぱ朝から体動かすって気持ち良いね~!」
和也はジジ臭くユニフォームから制服に着替える。
赤星は買いたてのスパイクを磨く。
「なーなー、今週末に試合あるじゃんかー?白雲高校だっけか、そこって強ぇのか?」
「強いよ!そこと試合やるの!?」
翔と同時期に入部した田中は少しの驚きを見せた。
「へー負けたら俺ら強制退学だからなー校長に上手い具合に冤罪にされるぞ~」
笑えない状況に時雄はヘラヘラと笑う。そんな時雄に田中はアタフタと動揺を見せた。
「は、白雲に勝たなきゃ退学!?ムリだよ!去年ベスト16の高校だよ!?僕らみたいな急造チームが勝てる相手じゃないよ!!」
田中の言う通り、状況はかなり厳しい。
「んーまぁ強ぇのはニュアンスで分かった。でもまぁ、何とかなるっしょ?」
赤星の言葉に時雄もニカリと笑った。
「だな、強いかどうかなんて正直どうでも良いよ。この時期にベスト16相手に負けるようじゃ、甲子園にも行けねーだろうしな。」
「だな、勝ちゃイイんだよ田中!」
時雄の隣に座る和也もヤル気満々だ。
「早く試合してーな。」
「うん、楽しみ。」
悟と護の小坂兄弟も楽しみでならないようだ。どうやら田中の心配など紙クズのようだ。
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