第13球ーNinesー

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朝練は終わり、時雄達にとっては''休憩時間''と呼ばれる授業。 教師は黒板にチョークを走らせる。 『と…言う事だ。糸井、59Pの二段目から、読んでくれ。』 「はーい、了解しました~」 和也は寝ぼけ目で教科書を手に取る。 「えーと、Aの数式にV=a分のbを代入して、それを二乗して…」 『糸井、今は何の授業だ?』 和也の読み取りは教師に即座に止められた。 「え、数学の時間でしょ。何言ってんスか先生。」 『そうか、お前の頭の中では数学に''竪穴住居''なんてモノが出てくるんだな。』 教師の雲行きが怪しくなり、和也は少し蒼ざめる。 「え、あ…その~…ぶ、部活で疲れてんスよ先生!」 『バカモン!文武両道が学生の基本だろうがぁ!!』 ゴスッ! 「痛ってぇ!殴ったな!?教科書の角で殴ったな!?」 『先生に向かって何だその言葉は!!』 ゴスンッ! 二度目の教科書は、更に鈍く鳴った。 「和也、文武両道じゃねーとレギュラーから外すぞ?」 「うるせぇ!ちょっと勉強できっからって調子乗りやがって!!」 「学年3位だよ、タコ。」 時雄の秀才ぶりに、もはや和也の付け入る隙はなかった。
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