402人が本棚に入れています
本棚に追加
その日の昼休みは、時雄達のクラスである3組の教室は賑やかだった。
『なー、今度の試合のスタメンどうする~?』
教室の一角には胡散臭く野球部の男衆が集結していた。
時雄はカッターシャツの袖口を捲る。
「悩むな~俺あんまし野球知らねーしな、ここはキャプテンの夏樹さん頼みますよ。」
「野球知らねーってのも問題だろ。」
和哉のツッコミよりも、時雄の爆弾発言に兵藤三兄弟が長男、夏樹はいち早く反応を示した。
「え、俺いつキャプテンになったんだよ?」
「今っス、一応先輩ですし…」
「今かよ!?しかも何だ一応ってコラ!!」
夏樹は半ギレで時雄からルーズリーフを受け取った。
「じゃあまぁ、どうすっかねぇ…?」
悩みながらペンを手に取る。
「野球部!今度の試合、応援行くからね!」
オーダーに悩んでいると、教室の隅から声が聞こえた。
「おぉサンキューな、コナミ。」
「 ホナミだし!それメーカーじゃね!?」
時雄は穂波の名前を相変わらず憶えていない。
(ワザとの可能性も否定できない。)
立花と理太郎も手を振る。
「私も行くからね~」
「俺も部活終わったらソッコー行くからよ!」
和也は嬉しそうに立ち上がる。
「美奈江ちゃんは来て来て!理太郎は…イイわ。」
「んだとコラァ!?」
最初のコメントを投稿しよう!