第13球ーNinesー

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その日の昼休みは、時雄達のクラスである3組の教室は賑やかだった。 『なー、今度の試合のスタメンどうする~?』 教室の一角には胡散臭く野球部の男衆が集結していた。 時雄はカッターシャツの袖口を捲る。 「悩むな~俺あんまし野球知らねーしな、ここはキャプテンの夏樹さん頼みますよ。」 「野球知らねーってのも問題だろ。」 和哉のツッコミよりも、時雄の爆弾発言に兵藤三兄弟が長男、夏樹はいち早く反応を示した。 「え、俺いつキャプテンになったんだよ?」 「今っス、一応先輩ですし…」 「今かよ!?しかも何だ一応ってコラ!!」 夏樹は半ギレで時雄からルーズリーフを受け取った。 「じゃあまぁ、どうすっかねぇ…?」 悩みながらペンを手に取る。 「野球部!今度の試合、応援行くからね!」 オーダーに悩んでいると、教室の隅から声が聞こえた。 「おぉサンキューな、コナミ。」 「 ホナミだし!それメーカーじゃね!?」 時雄は穂波の名前を相変わらず憶えていない。 (ワザとの可能性も否定できない。) 立花と理太郎も手を振る。 「私も行くからね~」 「俺も部活終わったらソッコー行くからよ!」 和也は嬉しそうに立ち上がる。 「美奈江ちゃんは来て来て!理太郎は…イイわ。」 「んだとコラァ!?」
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