第13球ーNinesー

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PM8:20ー茜高校ー野球部グラウンドー カキー…ン。 パシッ。 ダッダッ…! 野球の音は、グラウンドに響く。 最後の練習メニューであるノックを終え、メンバーはベンチに腰を下ろして話し合っていた。 和也はグラブに付いた汚れをタオルで拭き取る。 「いや~随分と様になって来たよな俺達!守備の連携は危なげなくこなせてるし。」 悟と護は和也にすぐ頷く。 「確かにな、初心者の時雄・赤星もルールから覚えられるか心配だったが、時雄は元々が物覚え良かったしな。」 「まぁ、赤星君はちょっと時間掛かったけどね…」 護が徹夜でルールブック片手に赤星と奮闘した事は、誰も知らない。 翔はレガースを始め、キャッチャー防具のメンテナンスに勤しむ。 「早ぇとこブッ放してーなー!俺今絶好調なんだけど。」 「翔は予想以上のスラッガーだしな~早く高校野球の世界にデビューさせてーよ。」 面々は迫り来る試合の日に期待を膨らませていた。
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