1人が本棚に入れています
本棚に追加
――ここは、どこだろう。
暗い……ということはきっと、沈んでるところだ。
あの赤い従者を呼ぶ前に、どうにか接触してみよう。
……いた。
ものすごいスピードで、何の特徴もなさそうな普通の少女が堕ちていく。
そこに近付くために自分の出せるトップスピードを出すと、予想以上に早く辿り着けた。
「ねぇ、お願いがあるの」
彼女に問いかける。
「ここから先、私がその体で操作したいの。」
彼女からの答えは、勿論無い。
「私ね、救いたい人達がいるの。その中には貴女も、彼も含まれているの。」
聞こえているのかも、わからない。
「勿論、その体の支配権を全て奪うわけじゃないし、私の行動は見れる筈だよ。」
ゆっくりと、一つ一つ言い聞かせる様に呟く。
「これからの事件が一段落ついたら返すつもりだし、彼を奪うとか、そういう事もないよ。」
きっと、大丈夫。
この子には絶対に聞こえる。
「…彼が、誰だって?それはね、今君を遠くから呼んでる人だよ。…さっきの話に了承してくれるなら、起きた時に「フランシスコ・ザビエル」って言ってくれ。私は先に向こうで待ってます。………彼に、よろしく。」
そう言って、私は彼女から離れる。
――意識が、浮上する――――
最初のコメントを投稿しよう!