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「昨日話を聞いてからずっと考えてたんだけど、ナッちゃんのところに送られてきた手首って、本当に謙介さんのなのかな」
「間違いないと思う」
ナツメは言い切った。
謙介の手は、見間違うはずがない。
ナツメは自分の左手を見た。四角くてふっくらとした手のひら、太い指。謙介の手の形とそっくりな、自分の手。
謙介と瓜二つの手を見れば、いつでも謙介を思い出すことができる。誰よりも謙介の手を想像してきたのだから。
凪人は「ふむ」と頷いて、「状況をもう一度おさらいしてみよう」と言った。リュックからボールペンとA6サイズのノートを取出し、テーブルの上に置いた。
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