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私はそんな三人の後ろ姿をなんとなく眺めながら、
「か、香織さん」
気が付くと、声を上げてしまっていた。
『なんだろう?』という様子で振り返った香織さんに、急にドキドキしてしまう。
って、なんで私は、彼女を呼び止めたんだろう?
「あ、あのね、ホテル・オークラにね、生クリームがたっぷり入ったアンパンがあるんだって。そ、それはテイクアウトはできないみたいで。
わ、私、一人では入れないし、もし良かったら、今度一緒に行こう?」
声を上ずらせながらそう告げた私に、香織さんは少し驚いたような顔を見せたあと、
「オークラの名物アンパンの噂だけは聞いたことある! 私も食べてみたかったの、今度絶対に行こうね」
と笑顔を見せてくれた。
「あ、ありがとう」
手を振りながら、嬉しさに鼓動が更に強くなっていた。
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