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「良かったですね、自然に『友達になりたい』と思える方に出会えて」
優しい笑顔を向けるホームズさんに、何も言えないままコクリと頷いた。
そうだ。
理屈じゃなくて、『この人と友達になりたい』って思ったんだ。
ふぅ、と息をついて、改めてホームズさんを見た。
「……大ごとになることなく、無事、解決して良かったですよね」
静かに漏らした私に、
「お二人が素直に打ち明けることが出来たのは、場所も良かったのかもしれませんね」
とホームズさんは森を見回して目を細めた。
「そうですね、すごく神聖な雰囲気だし」
コクリと頷いた私に、ホームズさんは笑みを浮かべた。
「それもそうですけど、『糺の森』の由来をご存知ですか?」
「え、由来ですか?」
「糺の森は祭神の『賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)』が、この鎮守の森で裁判を行ったという神話に由来するそうです。『糺す』とは取り調べること。
ここは、神々の裁判所だったんですよ」
天を仰ぎながら言うホームズさんに、私は大きく目を開いた。
爽やかな風が吹き抜ける。
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