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色々あった中、覚悟を決めて、今年の主役となった佐織さん。
十二単を纏い、美しい斎王代となった佐織さんが輿に乗って御所を出た時には、その神々しさに皆が溜息を漏らした。
何か吹っ切れたのだろう、その表情には強さが感じられた。
美しい佐織さんが、より美しく輝いて見えた。
あまりの美しさに、いつもは関西圏内のニュースに留まるところが、
今回ばかりは全国で大きく取り上げられ、やがて佐織さんにテレビ出演の話まで来ることになるのだけど、それは少し先の話。
私とホームズさんは、斎王代となった佐織さんの姿を境内の観覧席から眺めながら、
あの怪文書事件を変にこじらせることなく、解決させることができて本当に良かったと心から思った、
薫風が心地よい、葵の頃だった。
第二章『葵の頃に』
TheEND
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