第一章 『願わくは、桜の下にて』

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京都は今まさに、桜の季節を迎えていた。 眩しい日差しの中、キラキラと光る鴨川に、たくさんの花びらを散らす桜並木。 まさに絶景だ。 きっと、この景色を見る為に、遠くから訪れる人も多いのだろう。 自転車でフラリと見に来ることができる私は、贅沢者なのかもしれない。 そのまま河川敷に下りて、南へ向かって走る。 鴨川を横目に桜の下、自転車を漕ぐ。 最高だ。 最高だけど、川岸でイチャつくカップルの姿さえなければ、もっと最高なのに。
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