第一章 『願わくは、桜の下にて』

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ふと、別れた彼のことを思い出して、 その彼が、親友だと思っていた子と付き合っていることが頭をかすめ、 ズキンと胸が痛んだ。 彼に告げられた別れがつらくて、 友達が彼と付き合っていることがつらくて、 『どうしてなんだろう?』 って、やりきれない思いがグルグルとループする。 だけど、二人が付き合っているというのは、人づてに聞いた話だ。 本当はデマなのかもしれない。 今すぐ埼玉に行って、確かめたいくらいだ。 (ダメダメ。今考えても仕方ない) 小さくかぶりを振って、しっかりと顔を上げた。
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