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「おはようございます」
いつものように、店の前で呼吸を整えてから、アンティークな扉を開けた。
カランとドアベルが鳴ると同時に、カウンターに座る二人の男性の姿が目に映る。
「おはようございます、葵さん」
一人は私をバイトに誘ってくれたホームズさんこと、家頭清貴さん。
そしてもう一人は……
「おはよう、葵さん」
ホームズさんのお父さん、家頭武史さん。
細身の身体に眼鏡にベスト姿、穏やかな微笑みはホームズさんによく似た雰囲気だ。
「今日もよろしくお願いします」
私は改めてペコリと頭を下げた。
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