まだまだ走る女たち

無謀な憧れ

本社での会議の日、子どもたちの保育園の送りは森に頼んだ。

私は、誰よりも早く家を出た。

「森…ごめんね。お願いします。」

声をかけると

新大阪の駅へ向かい新幹線で東京へ向かった。

本社へ行く時は今でも緊張感がある。

背筋がのびる感じだ。

会議室へ入ると美田課長がいらした。

「お疲れ様です。」

「藤森主任御苦労さま。あ…森主任よね。ごめんなさい。」

「藤森って聞くと会社にいるなって気分になります。」

「久しぶりに身軽で東京ですよ。」

「子どもたちも元気？」

世間話で始まった美田課長との話だが、研修についての話もした。