無謀な憧れ

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美田課長は本当に憧れだ。 支社長たちに連れられてきた日に初めてお目にかかったが名前だけは知っていた。 会うこともないと思っていた下っ端の私たちにまで名前が知れ渡るほどその功績は見事だった。 その美田課長と今は場所こそ離れているが同じ部署で働くことができ こうして会話をすることができる。 「本社にはいつ頃の予定?。」 「え?」 「森係長は、当然本社で働こうと思ってるでしょ?彼が狙うなら企画部ってとこじゃない?転勤もないし狙ってると思うわよ。主任もそうなんじゃないの?何れは企画部って思ってるでしょ。」 「森から…いえ森係長からそんな話一度も聞いたことないですよ。」 慌てて係長と言いなおしたことにクスッと笑いながら 「そうなの?意外だわ。企画部は本社の中でも一番の花形と呼ばれる部署じゃない。」 「そうなんですか。」 「知らないの?」 「私…そういうこと本当興味がなくて。」 「あははは。そこが主任らしいわよね。でも、きっと森係長は上級とって上がってくるわよ。楽しみだわ。」
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