無謀な憧れ

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東京駅から森に連絡を入れた。 「森、お迎え行ってる?」 「いや、会議が長引いて圭ちゃんが行ってくれた。」 「家に行ってくれたのかな?カギ渡した?」 「俺も会議だったから渡してないんだよ。千波の車のキーはなくなってるからここに戻ってくるつもりじゃないかな。」 「了解。ありがとう。今から新幹線乗るからあとお願いします。」 新幹線の座席に座ると 何でだか私の口は 「ビール」という単語を発する。 プルタブをあけスーツ姿で喉をならす。 こんな妻、こんな母親でいいんだろうか。 答えは自分で出す。 たまには、いいさ。 あーー美味い。 思わず声が出そうなほど美味しかった。
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