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同じ本社で働くことになったといっても
社内で森と顔を合わせることは、ほとんどないように思う。
支社と違って本社には、何倍もの人がいて
私のいるフロアと森の配属のフロアはまったく違う。
使用するエレベーターまで違う。
本社のもっともっと上まで森は上がっていく。
私は今、下から見上げる人だ。
でもそれでいい。
その見上げる先には森がいるのだから。
「上がってこいよ。」
うさぎの森はそう言ったけれど
最近のカメは壁だって登れるはずだ。
いつか必ず私も森のいるフロアまで上っていこうと思う。
だって目標がそこにあるのだから。
そして、また肩を並べて仕事がしたい。
それが私であり森なんだと思う。
夫婦であり、いつまでもライバルの同僚でいつづけたい。
待ってて。必ずそこに辿り着くから。
先に歩いてて。必ず追いつくから。
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