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turn of the year
目が覚めたのはいつだったのか。
きっちりとカーテンの閉め切られた部屋では、今、空に浮かぶ主役が太陽なのか月なのか知ることは出来ない。
サイドテーブルには煙草の残骸と、ビールの空き缶、空っぽのペットボトルに、これまた空になったプリンのカップ。
「……いい加減」
まともに何かを食べないと死ぬかな?
そんなことを考えながら煙草に手を伸ばす。
そばにある携帯が着信があったことを知らせようとチカチカと点滅を繰り返す。
相手は分かってる。
だから取る気にはなれなくて、煙草に火をつけた。
曇る視界。
隣には長い黒髪がシーツに流れる。
「あー、だりぃ」
食べること、寝ること、彼女を抱くこと以外のすべての欲求が。
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