13人が本棚に入れています
本棚に追加
……同時に、
「おまっ、彗星に何を言ったんだよっ?」
と穿の声が頭上から響いてくる。
「別に、私は何も……」
「それより、大丈夫?」
私と同じ目線でしゃがみ込んだ旒柯が、綺麗な手を差し出してくれる。
「あ、ありがとう……」
身体を支えられるように体勢を戻すと、旒柯が言葉を続けた。
「一つだけ忠告しといてあげるね! ここの住人、っていうか軌跡達もみんな、重い過去を背負ってるから、探るような真似だけはしちゃ駄目だよ?」
「……えっ?」
「じゃないと、心結自身に、身の危険が起きると思う」
―――“身の危険”。
旒柯の言葉に、私は身が縮まる気がした。
……恐怖で足が竦む。
最初のコメントを投稿しよう!