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……薄暗い部屋の中。
カーテンも開けられていないその湿ったい雰囲気。
部屋の中の様子が何も分からなくて、彼の姿を探す……
神祁はどこ?
と思っていた時、
「何か用か?」
と言う声に、ビクッと身体を震わせた。
クローゼットの前、背を向けている神祁が洋服を選んでいる。
今からどこかに戦闘しにでもいくのか、その後ろ姿からはピリピリと重苦しい空気が流れていた。
「……神祁、」
ボソッと呟いて、その後の言葉を呑み込んだ。
何を聞けばいいのか正直分からなかったのだ。
神祁は私を利用して元の世界に戻ろうとしているの?
私が夏さんみたいに、あなたを裏切ると思っているの?
もう誰も信用できないと思ってる!?
その漆黒の闇には、一体誰を映しているの!?
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