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でも軌跡から助けてくれたでしょ?
それは、獲物を渡したくなかっただけだと言うの!?
「言いたい事があるなら、早く言え」
くるりと振り返った神祁が、真正面から私睨み付けながらそう言った。
相変わらず整いすぎているそのルックスに頬を赤くする。
口調はぶっきら棒なのに、どうしてだろう……神祁の事が気になってしょうがない。
……至近距離で私を見つめているその瞳に……
「っ」と吐息が漏れると、神祁が重ねるように言葉を続けた。
「着替える。言いたい事がないなら、出て行け」
とすぐに背を向けた神祁。
風呂上りでスウェット姿だったからか、そのトレーナーを脱ぎ捨てる。
「きゃあっ!」
と思わず両目を覆いながら、顔を下げた。
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