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その瞬間、時間が止まったように、神祁が振り返る。
でも石像のように固まったままの私は、動く事が出来ないでいた。
「お前、何が言いたい?」
……すぐ目の前にやって来た身長の高い神祁に見下ろされる。
頭上から降り注ぐ熱い視線に、頭部が焼け付く匂いがした。
何が言いたい、って。
そんなの決まってんじゃん!
神祁が嘘を吐いた理由を確かめたいんだよ。
「神祁はっ、元の世界に戻りたいって思った事はないの?」
顔をそっと上げて、その冷たい目と視線を合わせる私。
もちろん神祁ほどの極上のイケメンに見つめられて、平常心でいられる訳がなかったけど(しかも上半身ハダカ)、そんな事も言ってられなかった。
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