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頬を伝う涙……
瞳に滲む彼の姿……
やっぱりそうだったんだ。
神祁の態度を見れば分かるよ。
神祁は私より、元の世界に戻る事で頭がいっぱいなんだ。
守る、と言ったのも……きっと私が“獲物”だからだ。
獲物が居ないと……元の世界に戻る事が出来ないから、傍に置いておきたかったのだろう……。
私はしゃがみ込んで、神祁が落としたスウェットの上を手にした。
目の前の神祁は、黒のシャツのボタンを留めている。
まるでこの部屋に誰もいないかのように……私の存在を無視している。
もう、やだっ!
涙……止まってくれないしっ!!
バサッ!
気がついたら私は、手にしてた服を神祁目がけて投げつけていた。
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