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「何をすっ―――」
と返しながら、振り返った神祁の目が驚いたようにまるくなる。
でもすぐにいつもの冷たい瞳を作って、ふと視線を落とした。
「何で泣いている?」
「っ、」
「答えろ」
ぐいっ!
……そのまま腕を掴まれて、耳元で呟くように言葉を投げられた。
「碧沃から何を聞いた?」
「っ!」
「言っとくけど、あまりここの人間の事を信用するな」
「えっ?」
「周りはみんな敵、そう思っておけ!」
と言った神祁は、私の腕を離して背を向けた。
……今のって、どういう意味?
碧沃の事を信用するな、って言いたいの!?
こんな私に、一番優しく接してくれるのは碧沃だけなのに……
神祁は冷たすぎて、どれが本当のあなたか分からないもん。
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