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「あーあ。穴空いてるわ。」 噛まれた腕の袖を眺めながら仁の小言がうるさいなどと呑気に独り言を言う聖月。 何のウイルスを使って実験した生物かわからないものの、噛まれた人間の末路は知っている。 「‥な…にやってんのよ?」 「…何が?」 助けてくれたとはいえ、聖月の今の行動は異常としか思えなかった。 自殺行為どころか感染志願者にでもなったつもりだろうか? 「バカじゃないの?!噛まれてどうすんのよ!!ゾンビや実験生物に噛まれた人間はどうなるかなんてあんただって知ってるでしょ!?」 「知ってるけど?」 あっけらかんと答える聖月。 沙乃はそんな彼をみて本当に頭がおかしくなったのではないかと絶句した。 「俺は大丈夫なんだよ。」 「…どう言う意味よ?」 それには答えてくれない。 答える気がないのか答えたくないのかはわからない。 それは その髪色と関係しているのか その目の色と関係しているのか その肌の色素と関係しているのだろうか。
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