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「やっぱやめた。」 「…へ?」 一瞬言いかけた言葉を飲み込み、そのまま職員室からでて行く聖月。 「ちょっと‥何よそれ?!」 中途半端に期待を裏切られた沙乃はまるでお預けをくらった犬の気分だった。 エレベーターに乗り込み下の階のボタンを押す。その間も沙乃は聖月に文句を言い続けた 「渚?」 下の階についてロビーを見渡したが、渚の姿は何処にもなかった。 聖月がスマフォで誰かと話している。 「‥仁達と一緒にいるってよ。」 ロビーの何処かに隠れる様に言いつけ沙乃を迎えに行った後に仁と直樹がここにやって来たらしい。 3人は今、ビルの屋上に向かっている。 「!?」 外から銃声が聞こえる。 始まったのだ。 感染者の一斉駆除が。 「‥史…。」 きっと史也もこの駆除に参加しているはず。 「沙乃?」 「先に行ってて!」 9年前に出陣した自衛隊は、政府の捨て駒に過ぎなかった。 今回もそうなら 史也だけでも一緒に連れて逃げなければ 9年前の彼等の二の舞だ。
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