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「沙乃。」 走り去ろうとする沙乃の腕を掴み静止させた聖月。 「バカなの?これってあいつの仕事だろ?」 自衛隊に所属したと言うことは史也もこうなる事くらい予測していたはずだ。 歴史が変わったとしても最悪の状況くらい想像していたはずだ。 それを分かって史也は望んで自衛隊に入った。 「それでも!」 黙って帰りを待てるほど沙乃の気は長く待てない。 史也は沙乃と唯一悪夢から生還し、1番の理解者だ。 例え町中が化け物で溢れかえっても 史也が任務を遂行すると言っても 「無理矢理でも連れて行く。」 外からの轟音の中、沙乃は真剣な目をして彼に告げる。 離してくれ…と… 「…。」 彼は諦めたのか、ソッと掴んでいた沙乃の腕を離した。 「ちょっと待って。」 聖月はスマフォを取り出し誰かに電話をかけ出した。
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