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「あ、仁。悪いんだけどちょっと生き別れの兄貴探し行ってくるわ。」
「…へ?」
機械からは仁が何か喚いている声が聞こえてくる。
それを無視して通話を強制終了をした聖月。
「…聖月?」
「俺も行くよ。」
半眉の馬鹿面久々に見たくなったと続けて言いながら弾の残量を調べて腰につけたケースに閉まった。
「1人よりも2人の方がマシだろ?」
「…。」
何故聖月がそこまでしてくれるのかが沙乃にはわからなかった。
9年ぶりで
死んだと言われた時
沙乃は彼の最後を見ていない。
幼馴染みだったとしても、長い年月が経っているのに
沙乃には理解出来なかった。
「ほら、行くよ。」
「あ‥うん…。」
ロビーの扉を開けて、戦場となった春日の街の中を2人は歩みだした。
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