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「ぁんの馬鹿何考えてんだ!?」
ビルに向かう途中、繁華街で突然スマフォ越しから伝わってきたのは「ちょっとそこまで行ってくるわ。」とでも言う様な軽いノリの言葉だった。
「社長~。みー君を馬鹿にしたらマジ殺すよ?」
「ははっ!お前のブラコンっぷりも大概にしろよ!!」
直樹の聖月に対する執着は中々のものだ。
ブラコンと言うよりもはや信者と言う部類だ。
「…あの‥お兄さん達って聖月先輩の知り合いなんですよね?」
大学のロビーで救助され一緒に2人について行っている渚は、少し遠慮がちに質問した。
「渚ちゃんだっけ?まぁ、聖月は俺の仕事の部下だよ。」
「主にその部下に顎で使われてる社長だけどね。」
「ぉまっ!余計な事いうなってーの!!」
仁が説明をすれば横からしゃしゃり出てくる直樹。それをわざわざ拾って言い返す仁はさぞや人が良すぎる人種だと思う。
「あの…一体聖月先輩は9年間何処で…。」
渚が質問をしようとしたら、それを仁に人差し指を唇に差し出され止められた。
「おしゃべりは後で。」
「来るぞ。」
銃声の他に聞こえる呻き声。
ひと気の少ない繁華街周辺に微かに聞こえてくる。
建物一つ一つの入り口からいつからいたのだろうか
《そいつら》は姿を現した。
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