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「…つまり住民全員を外に出さず‥殺すって事?」
沈んだ気持ちのまま沙乃が口を開いた。
密室の避難所に人間を詰め、ガスで処分する。
感染した人間がゾンビ化する前に早めに始末しなければガスは効かない。
ウイルス災害が世界に知れ渡る前に証拠隠滅も含め、別の災害として世に知れ渡らせる為に政府が出した結論だ。
春日町は
日本に殺される。
歩くたびに人の叫び声、銃声音、車の衝突音が鳴り響く。
大混乱が起きているその機に質屋やデパート、スーパーから人間達が物を強奪している姿がみられた。
「そこ!何してるんだ!!」
自衛隊員の1人が逃げる人間達の反対から都心部に向かう沙乃と聖月を見つけ近づいていできた。
「ここは危ない!早く放送が流れた通り避難所に向かいなさい!!」
駅の方向に指差し怒鳴るように伝える隊員は顔に焦りの表情を表していた。
「あの‥知り合いを探してるんです!貴方と同じ自衛隊の長元史也って人です!」
「…長元?」
史也が入っている春日町の自衛隊の毎年の入隊人数はそれ なりに多く、全員が全員を覚えているかと言えばきっと覚えていない人間の方が多いであろう。
彼と史也とは部隊が違うようだ。
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