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逃げ惑う人々の姿はもういない。 いるのは感染者となった元・人間と その元・人間を駆除している人間だけだ。 「本当に人間とゾンビだけか?」 訂正するなら、鱗を身に纏った化け物が春日区域に徘徊して、時折人間を襲う姿がみられた。 「あれってなんなの?!」 9年前にいた実験生物とは偉く違う。 名は《テッラピスキス》 ラテン語で陸の魚を意味する実験生物。 身体にビッシリと生えた鱗は普通の銃では貫通出来ないほど強度な硬さを持つ。 渚の大学にいた時、聖月から「隠れろ」と言われた意味は、ハンドガンでは貫通しないからだったのだ。 聖月はこの実験生物を知っている。 それは何故だろう? 何でも屋と言っていた《クロノス》と言う会社は 一体なんなのだろう?
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